人としての器 https://h-utsuwa.com Mon, 05 Oct 2026 01:43:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=7.1.3 https://h-utsuwa.com/wp-content/uploads/2023/04/cropped-1341aeb807d163f4102d2eae8683057f-1-e1682147545213-32x32.png 人としての器 https://h-utsuwa.com 32 32 視座はどうやって上がるのか?――階層的複雑性モデル(MHC)が示す「思考力」の育て方 https://h-utsuwa.com/outline/mhc-thinking-development Mon, 05 Oct 2026 01:43:55 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7843 最近、ありがたいことに「器」というテーマで研修や講演をする機会が増えてきました。

そうした中で感じることがあります。

大半の方は、「この抽象的な難解なテーマを、よくここまで分かりやすく説明してくれた」と言ってくださります。

一方で、「もっと具体例で説明してほしい」「抽象的な話は、かえって現場を混乱させる」というフィードバックをいただくことも、それなりの頻度であります。

なぜ、同じ説明をしても、人によって受け止め方が、これほどまでに異なるのでしょうか?

実は、若手育成の現場においても、似たような悩みを聞くことがあります。

ある若手には、抽象的な説明をしてもなかなか理解してもらえず、彼らはできるだけ具体的な「正解の手順」を求めがちな一方で、明確な手順を一度示せば、それをこなす処理能力は非常に高いとのこと。

しかし、具体的な正解ばかりを求め続けると、状況が少し変わった場面では手が止まってしまう懸念もあります。

つまり、それだけでは、マニュアルにない場面で、自分の頭で考えて次の一手を編み出す「応用力」が育たないのです。

もちろん、「これをやればいい」という具体策を求める気持ちは誰にでもあり、とりわけ初めて触れる分野では、まず例や手順を見せてほしいと思うのも当然でしょう。

しかし、現実は複雑に変化しており、具体のレベルに依存してとどまってしまえれば、いつまでたっても思考力は育ちません。

それでは、思考力を鍛えるにはどうしたらよいでしょうか。

この問いを考える手がかりとして、本記事では、ハーバード大学医学部のマイケル・ラムポート・コモンズ(Michael Lamport Commons)らが発展させてきた「階層的複雑性モデル(MHC:Model of Hierarchical Complexity)」を紹介します。

今回の記事では、MHCの知見をもとに、視座が上がるとはどういうことかを、具体例を交えながら、できるだけわかりやすく解説します。


MHCとは何か――「人」ではなく「課題」の複雑さを測る物差し

MHCは、人の知能指数や性格を測る理論ではなく、課題(タスク)そのものが、どれだけ複雑な構造を持っているかに焦点があります。

そのうえで、課題の複雑さを「Order(次数)」、人が実際にうまくこなせた課題のうち最も複雑なものを、その人の「Stage(段階)」と呼び分けます。

したがって、段階は人に貼る固定的なラベルではなく、「その課題を、その条件で、どこまで扱えたか」を示すものです。

●複雑さの2種類と、「一段上」の条件

MHCの鍵は、複雑さを2種類に分けることです。

1つは、水平的な複雑性です。例えば、人参を1本刻む作業と、10本刻む作業の違いがこれにあたり、このとき課題(タスク)の量は増えますが、頭の使い方は変わりません。

算数でいえば、単純な足し算を1問解くのも20問解くのも、求められる複雑さは同じです。

これに対して、もう1つの観点として、垂直的(階層的)複雑性があります。

こちらは、複数の下位次元の行為が、順序に必然性をもって組み上げられたときに高まります。

料理にたとえてみましょう。

ハンバーグをつくるとき、玉ねぎを刻み、フライパンに火をつけて、玉ねぎを炒めてから肉と混ぜ、種をこねてから焼きます。

焼いたあとに種をこねることはできません。

素材となる作業が、必然的な順序で組み上げられ、「ハンバーグ」という一段上のまとまりになります。

このように課題(タスク)が順序性をもって組み合わさることで、垂直的な複雑さが増加していくことになります。


では、垂直的に「一段上がる」とは、厳密にはどのような状態を指すのでしょうか。

コモンズは、一段上の行為を次の3つの条件で定義しています(原典では「公理」と呼ばれます)。

  1. 下位の行為で定義される:上の行為は、1つ下の段階の行為を素材にして成り立つ。
  2. 複数の下位の行為をまとめる:単一ではなく、2つ以上の下位の行為を組織する。
  3. 組み合わせ方に必然性がある(非恣意的):並べただけでなく、決まった秩序に沿って組み直されている。

特に重要なのは、3つ目で、これに関して数学の「分配法則」が例として挙げられます。

1+2を計算して、3×4を計算する。
この2つは、どちらを先にやっても結果が同じで、単に並べただけです。

ところが、5×(1+3)=5×1+5×3 という分配法則では、足し算と掛け算という2つの操作が、決まったルールで1つの新しい操作へ統合されています。

こうした必然性のある組み直しが起きたとき、はじめて複雑さが一段上がることになります。


●段階は「階段」であり、領域によって発揮される思考力は揺らぐ

こうして定義される段階は、なだらかな坂道ではなく「階段」であり、次の性質があります。

  • 段階は飛び越えられない。上位は下位を素材にしているため、土台を抜いて上へは登れません。
  • 上位は下位を捨てるわけではない。高次の行為は、低次の行為でできることを含み込んだうえで、さらにそれを組織します。

なお、段階が階段であることは、理論的に導かれており、実際のデータでも、課題の次数と難しさの間に高い相関が報告されています(Commons & Chen, 2014)。

次数の間には隙間(非連続的な間隔)があり、ほぼ等間隔であることを支持する、という見解もあります(Commons et al., 2014b)。

ただし、これらは「証明された」というより、その可能性を「支持する証拠が積み重なっている」と受け止めるのが妥当と言えます。


一方で、人の実際の姿は、どのような場面でも通用する形で、階段をきれいに登っているわけではありません。

課題の複雑さを測る物差しは、どの領域でも共通ですが、実際の人の遂行は、領域ごとの慣れや経験によって、ずれることがあります。

コモンズらは、この領域に応じた”ずれ”を認めています(発達心理学では「デカラージュ」と呼びます)。

たとえば、仕事では多角的に判断できる人が、家庭の人間関係では、単純な見方になることがあります。
これは、その人の「段階」が低いからではなく、その領域では、まだ慣れていない構造があるからだ、と考えます。

したがって、「具体的なことしか理解できない人」がいるのではなく、その領域・その条件で、まだ扱えていない構造があるだけと考えられます。

そして、だからこそ、経験と練習の機会によって、様々な領域で思考力を育てることが必要になってくるのです。


MHCにおける17の階層の見取り図

●17段階の全体像と、主要な4段階

MHCは、2014年の改訂以降、Order 0からOrder 16までの17段階で整理されています(Commons & Jiang, 2014; Commons & Chen, 2014)。

なお、2014年に新しい段階(Order 1)が加わったため、それ以前の文献や解説では、同じ段階の番号が1つ小さく表記されています。

たとえば、本記事で「Order 10:抽象的」とするものは、2014年以前の旧文献では「9」となりますので、文献を読む際は、番号ではなく名称で確認するようにご注意くださいますと幸いです。

17段階の概要を表にすると以下のとおりです。

Order名称(英語)課題が要求すること(概略)
0計算的(Calculatory)機械が、0と1だけで単純な計算をする
1自動的(Automatic)刺激に対する反射的・条件づけられた反応
2感覚または運動(Sensory or motor)刺激を見分ける、または身体を動かす(見る、触る)
3循環的感覚運動(Circular sensory-motor)手を伸ばしてつかむ、振るなど、反復する動作で、ものを「類」としてまとめる
4感覚運動(Sensory-motor)刺激に応じて概念を形成する(動作と発声が結びつく)
5名義的(Nominal)概念に名前をつける(「コップ」「水」などの単語)
6文的(Sentential)単語をつないで、短い文をつくる(「水ほしい」)。数を順に言う
7前操作的(Preoperational)接続詞(「だから」「その前に」)で文をつなぎ、数を数えたり、話を語ったりする
8初等的(Primary)単純な加減乗除や、時間的な順序づけを行う
9具体的(Concrete)単純な操作を組み合わせる(分配法則など)。他者の立場を取り入れた、具体的な取引をする
10抽象的(Abstract)具体例の集まりから、変数や共通の特徴を取り出す(「すべて」「一部」「なし」といった量化も使う)
11形式的(Formal)変数同士の、1本の論理関係(もしAならB)を扱う
12体系的(Systematic)多くの変数が絡み合う、体系全体を扱う
13メタ体系的(Metasystematic)複数の体系を比較し、その性質(同型、無矛盾など)を名指して、統合する
14パラダイム的(Paradigmatic)複数のメタ体系を組み合わせて、新しいパラダイムをつくる
15クロス・パラダイム的(Cross-paradigmatic)複数のパラダイムを組み合わせて、新しい分野をつくる
16メタ・クロス・パラダイム的(Meta-cross-paradigmatic)クロス・パラダイム的な課題よりも、さらに上位の課題(定義は議論の途中)

この17段階のうち、成人の思考力やリーダーシップを考えるうえでは、主としてOrder 10(抽象的)から13(メタ体系的)の範囲が重要になります。

そこで本記事では、この4つの段階を、次のように「点・線・面・立体」になぞらえます。

これはMHCそのものの分類ではなく、見通しをよくするための見取り図であり、注目している対象が「どれだけ複雑な構造を組み立てようとしているか」を、段階に捉えたものとしてお考えください。

段階見取り図何を組み立てているか見え方の癖(限界)
抽象的(10)点個別の出来事から、共通の特性(変数)を1つ取り出す1つの変数に目を奪われ、複数の変数の関係やトレードオフが見えにくい
形式的(11)線取り出した特性同士を、因果や時間でつなぎ、変数間の関係性やルール・原則のトレードオフを検討する1つのルールや原則に固執しやすく、複数のルールを1つの全体にまとめることが難しい
体系的(12)面複数の要因が絡み合う全体を、1つの仕組みとして捉える。個々の要因ではなく、要因同士の相互作用が見えてくる一度に扱える体系は1つ。慣れ親しんだ体系が、世界のすべてに見えやすい
メタ体系的(13)立体複数の仕組み(会社の論理、個人の人生、社会の変化など)を並べて比べ、その両方が成り立つ、より一般的な原理を探る抽象度が高く、日々の実務から離れてしまうおそれがある

たとえば、「生産性を上げたい」という課題を考えたとき、4つの階層で次のように見えます。

  • 点:「生産性が上がらないのは、一人ひとりのスキルが足りないからだ」
  • 線:「会議を減らせば生産性は上がる。ただし、減らしすぎると情報共有が滞り、かえって手戻りが増える」
  • 面:「業務プロセス、人員配置、評価制度、職場の雰囲気が絡み合って、生産性が決まっている」
  • 立体:「自社の生産性の考え方を、他社の状況や、働く人の人生、社会の価値観と比べると、『何をもって生産的とするか』自体に唯一の正解はなく、複雑な調整が要る」


▼ 補足:数学の例で見る階段(ここは難しいので、興味のない方は読み飛ばしてOK)

各段階がどのような「階段」になっているのかに関して、コモンズらは数学の例でイメージを示しています。

式が出てきますが、「何が一段上がったのか」だけを追ってみてください。
※式が苦手な方は、この項を読み飛ばして、次へ進んでも、本記事の内容は理解できます。
※なお、段階(14)まで記述しますが、一般の方はここまで理解する必要はありません。

  • 具体的(9):5×(1+3)=5×1+5×3=20。決まった数(5や3)で、足し算と掛け算を組み合わせる段階です。
  • 抽象的(10):記号の違う5個ずつの集まり(*****や#####など)は、見た目が違っても、どれも「5」です。1+4も、2+3も5です。こうして共通の値を、「x」という変数(文字)として取り出す段階です。ここが文字式への入り口です。
  • 形式的(11):文字同士の関係を、「どんな数でも、x×(y+z)=x×y+x×z が成り立つ」という一般的な法則として扱います。方程式を解くのも、この段階です。
  • 体系的(12):足し算と掛け算を入れ替えた x+(y×z)=(x+y)×(x+z) は、ふつうの数式では成り立ちません。ところが、足し算を「または」、掛け算を「かつ」に読みかえると、成り立ちます(「x、または(yかつz)」は、「(xまたはy)かつ(xまたはz)」と同じ意味になります)。同じ形の法則でも、成り立つかどうかは、それが置かれた「体系(数の世界か、論理・集合の世界か)」によって決まる、ということに気づく段階です。
  • メタ体系的(13):数学における「論理」と「集合」という2つの体系を、並べて比較します。すると、「かつ」は「共通部分」、「または」は「和集合」、「偽」は「空集合」、「真」は「全体集合」と、部品ごとにきれいに対応していることが分かります(数学では、このような関係を「同型」と言います)。つまり、(12)で見た法則は、どちらの体系でも成り立つのです。1つの体系の中で法則を使うのではなく、体系同士の構造が「同じ形」だと見抜いたり、違う形であることに気づいたりする段階が、ここに当たります。
  • パラダイム的(14):ここまでの階段は、「数と文字の式の世界」(代数)の中を、少しずつ登ってきたものでした。(14)では、これに、「図形の世界」(幾何)を組み合わせます。幾何は、円や直線などの図形の性質を、図で調べる分野で、もともと代数とは別の世界でした。(13)で、論理と集合という別々の世界が、同じ構造でつながることを見ましたが、これは、さらにその上で、2つの大きな世界を組み合わせる段階です。そこで、「座標」という考えを持ち込むと、円が「x²+y²=1」、直線が「y=2x+1」という式で表せるようになります。これにより図形の問題を式で解き、式の問題を図形で考えられるようになり、解析幾何学という新しい枠組み(パラダイム)が生まれました。

少し難しい話をしましたが、中学から高校の学校教育で多くの人が数学につまずくのは、おそらく、具体的な数値の計算式(算数)から文字式(例えばxやy)への移行[抽象的(10)]や、文字式で一般的な関係を扱う連立方程式の段階[形式的(11)]ではないでしょうか。

これは、覚える量が増えたからではなく、扱う対象の階層が一段上がったからだと考えられます。

だからこそ、自分がどの段階でつまずきやすいかを意識して、その段階の課題(タスク)を乗り越えるための訓練・実践を積むという姿勢が大切になります。


人材育成とキャリア支援の事例――4つの階層から課題を見立てる

具体的な事例として、人材育成とキャリア支援の2つの場面で見てみましょう。

【事例①】人材育成の例:若手の課題を、4つの階層から見立てる

入社2年目のAさんが、「指示された仕事はきちんとこなすが、少し条件が変わると手が止まる」という場面を考えてみます。

  • 点(抽象的・10)の見立て:「Aさんは、応用力のスキルが足りない」
    →打ち手は、応用力の研修や、事例集の配布になります。
  • 線(形式的・11)の見立て:「経験を積み、振り返りを重ねれば、応用力はつく」
    →少し難しい仕事を任せて、定期的に1on1で振り返る。このように問題を単純化せず、地道で時間はかかるものの、相手(Aさん)の状況に合わせて着実に成長につながる長期伴走型の流れを考えるようになります。
  • 面(体系的・12)の見立て:「Aさんの上司は忙しく、振り返りの時間がとれない。評価は、ミスをしないことが重視されるため、挑戦する動機も生まれにくい。この仕組みや風土が、応用力の育ちにくさをつくっている」
    →単にAさん個人の能力の問題ではなく、上司の時間、評価制度、挑戦を許容しない風土がつながった全体を見て、その仕組みを整備しようと考えるようになります。
  • 立体(メタ体系的・13)の見立て:「会社は『ミスをしない人』を育てたいのか、『自分で考えて動く人』を育てたいのか。そして、Aさん自身は、どんなキャリアを望んでいるか。また、これからの時代の変化も踏まえて、社会や市場は、何を求めているか。すべてを統合的に考えて、対応策を検討する必要がある」
    →複数の立場や文脈を並べて、その両方の場面においても必要になる育て方を新たに探します。例えば、社外での経験を積む越境学習なども、打ち手の1つになります。
    ただし、このとき、面と立体の違いに注意する必要があります。面は、1つの仕組みの前提における要素同士の関係を整えますが、立体は、その仕組み自体を、別の仕組みと並べて問います。例えば、「評価制度という考え方そのものが、個人の人生や、他社の考え方や、これからの世界の流れと比べて、妥当なのか」を考えるのは、立体の視座です。

このように同じAさんを見ていても、見立てる階層によって、打ち手がまったく変わることが分かります。

点の育成は、即効性があり、打ち手も分かりやすいので、現場に好まれます。

冒頭の、具体的な正解だけを受け取り続ける若手の話は、点の育成だけを受けている状態と読めます。

しかし、自ら考える力は、線・面・立体の構造の中で鍛えられるため、点の育成だけを繰り返しても、応用力は育ちにくいと言えます。

とはいえ、高い段階に進むことが「絶対的に正しい」というわけではありません。

点の育成が悪いわけではなく、新入社員に仕事の手順を教えるときのように、初期のフェーズや緊急の対応が必要なときには、しっかりと点の育成に取り組むことが大切な場面もあります。

問題は、点しか見えていないこと、あるいは、点にとどまっていることに気づかないままになっていることです。


【事例②】キャリア支援の例:相談者の悩みを、4つの階層から見立てる

キャリア支援でも、どの階層から見立てるかによって、支援の質が変わります。

30代のBさんが、「上司に叱責された」「会議で発言できなかった」「夜眠れない」という主訴でキャリア面談に来た場面を考えてみます。

  • 点(抽象的・10)の見立て:「Bさんは、自己効力感が下がっている」
    →3つの出来事から、共通の特性を1つ取り出します。打ち手は、傾聴、感情の受容、不安の解消、最初の一歩の明確化になります。ただし、この段階では、「自信を取り戻せば、すべて解決する」と、1つの見立てで全体を説明しようとしがちです。
  • 線(形式的・11)の見立て:「職場で役割や居場所がなく、自信を失っている。役割を定義して、その人ならではの強みを発揮できる居場所をつくれば、少しずつ自信は回復するだろう」
    →このように見立てを、因果と時間でつなぎます。過去・現在・未来をつなぐキャリアストーリーを整理し、面談記録を基に本人の特性を活かして、中長期で伴走しながら役割・居場所をつくっていくという打ち手が考えられます。
  • 面(体系的・12)の見立て:「上司の関わり、チームの力学、評価や配置の制度が絡み合って、いまのBさんの状態が生まれている」
    →Bさんの努力によってすべて解決するわけではありません。上司や人事、関連部門と連携し、評価や配置を見直す必要も生じます。ただし、この段階でも、自組織の仕組みが世界のすべてに見えて、その枠の前提そのものを問えなくなる、という盲点があります。
  • 立体(メタ体系的・13)の見立て:「組織の要請と、Bさんの人生は、別々の体系だ。その両方が成り立つ原理を探そう」
    →Bさんの可能性を広げるための学習の機会や、社外との接点づくり、そして、個人の人生を充実させることで組織の成長にも結びつくような制度設計や仕組み構築への働きかけを検討します。ただし、こうした構想が高度になるほど、目の前のBさんや現場から離れてしまうおそれもあります。

上述した内容からおわかりのとおり、単に面談の回数を重ねるだけでは、点から線、線から面の支援にはなりません。

それは現状の枠組みの中での、水平的な課題の対処にすぎないからです。

Commons et al.(1998)は、「ある決まりごと(体系)について、「この決まりごと自体に矛盾がないか」を確かめようとしても、その決まりごとの中だけでは確かめきれず、一段上の視点が必要になる」と指摘しています。

身近な例に置きかえて言えば、会社の評価制度が妥当かどうかを、その評価制度の物差しだけで測ることはできず、他社の制度や、働く人のそれぞれの人生や、ほかの分野の原理・法則と並べてみて、はじめて見えてくるものがある、ということです。

これに関しては、キャリア支援でも同じことが言えます。

職場の仕組みの中だけで考えている間は、「この仕組み自体は、これでよいのか」という問いにたどり着きにくいと言えます。

その問いにたどり着くには、別の仕組みと並べて考える、立体の視点が必要になります。

そして、立体の支援に至っても、点の支援が不要になるわけではありません。

目の前の悩みに寄り添う傾聴は、面や立体の構造の中に位置づけ直されることで、より深い意味を持つようになるのです。


段階はどう移行するのか――成長の途中に混乱がある

では、次の段階にはどのように移行するのでしょうか。

コモンズらは、一段上への移行を、8つのステップで整理しています(Commons & Richards, 2002)。

それは、おだやかな右肩上がりではなく、古い前提が崩れ、混乱を経て、新しい秩序が立ち現れるという非連続のプロセスを要します。

先述したように、一段上の枠組みは、下の段階の見方を素材にして組み立てられます。

移行とは、現時点で前提としている見方がいったん崩れ、他の見方と混ざり合い、新しい形にまとまり直すプロセスと言えます。

●移行の4局面と、育成への示唆

8つのステップは、大きく2つに分かれます。

最初の3ステップは、古い枠組みが崩れていく局面です。これまでのやり方の限界が見え(ステップ1)、その反対の見方に振れ(ステップ2)、2つの見方が交互に現れます(ステップ3)。

残りの5ステップは、新しい枠組みが組み立てられていく局面です。

2つの見方を同時に取り込もうとして(ステップ4)、はじめは手当たり次第に混ぜ(ステップ5)、取り込みすぎたり(ステップ6)、足りなかったり(ステップ7)を繰り返します。

そして、要素がうまく調整されたとき、新しい均衡に落ち着きます(ステップ8)。

ここでは、わかりやすくするために、4つの局面にまとめて、プレイヤーから管理職になったリーダーの例で、枠組みの移行の詳細を見ていきましょう。

  1. 行き詰まり:これまで通用してきた「プレイヤーとしての正攻法(論理的な指示)」では対処できなくなり、部下が動かない現実に直面します。ここが、既存の段階の枠組みが、限界を迎えて崩れ始める局面です。同時に、うまくいかない苛立ちや無力感も生まれます。
  2. 否定:過去のやり方を全否定し、捉え方が逆に振れます。「指示はよくないものだ。一切口を出さず、完全に任せよう」と極端に走りますが、それによってかえって失敗や混乱を招くこともあります。
  3. 相対主義:「細かく管理すべき局面もあれば、任せるべき局面もある」と、頭では理解します。2つの見方が頭の中に並び立つものの、どちらをいつ使うかを決める基準(上位の枠組み)がまだなく、決めきれません。
  4. スマッシュから統合へ:「スマッシュ」とは、対立する2つの見方を、現場で何度も「ぶつけ合わせて」混ぜることです(コモンズの用語で、2つの要素が「叩きつけ合わされる」様子に由来します)。はじめは、やりすぎたり、足りなかったりしますが、その試行錯誤のなかで、「普段の業務は任せ、事業の致命傷になり得る急所でのみ介入する」という、2つの見方を包み込む一段上のルールが定着します。

この過程から、育成にとって大切な2つの示唆が得られます。

第一に、次の段階に進むには、現状の認知の段階による限界に直面し、混乱が起きることが必要となります。

例えば、ある研修で「抽象的な話をされて、かえって混乱した」という反応が出たとき、それは相対主義やスマッシュの局面に入ったサインと言えるかもしれません。

その混乱を「分かりにくい講義だった」と切り捨てて、安易なマニュアル信奉に戻ってしまうと、せっかくの成長の機会を失ってしまうことになります。

第二に、二段以上のジャンプを求めると、混乱が破綻で終わりやすくなってしまいます。

MHCでは段階を飛び越えることができないと想定されており、今いる段階の足場をしっかりと固めたうえで、半歩上に手が届く課題を渡すことが、適切な移行を支えます。

そのため、一人ひとりの状況に沿って個別に伴走支援をすることが不可欠になります。


●段階の移行を促す5つの方法

では、段階の移行は、どうすれば促せるのでしょうか。

コモンズらが示したマニュアルには、方法として、次の5つが挙げられています(Commons et al., 2015)。

  1. 講義などの教示:新しい段階の考え方を、講義や読み物などで伝えます。マニュアルは、読み物のほうが、自分のペースで読み返せるぶん、効果的である可能性が示唆されています。
  2. 矛盾に向き合う経験:いまの考え方では説明できない現実に、あえて向き合います。ただし、この方法が効くのは、そうした矛盾に関心のある人(成長マインドセットを持つ人)です。意欲の低い人には、かえって効きにくいとされています。
  3. 正しい遂行への強化:うまくできた人に対して、報酬や評価を返します。たとえば、課題の成功に応じてポイントを得て、チーム対抗で競う方法などが考えられます。
  4. 支援(足場かけ):例やヒントを渡して、課題の要求を一段階分、下げるといった支援(コーチングなど)が考えられます。これにより本来はまだ難しい課題も遂行できるようになり、その遂行が繰り返されることで、新しい段階の行動が身についていきます。
  5. 遂行の記録を使った直接指導とフィードバック:基本となる要素を先に練習し、一つずつ分解して学習し、あとで組み合わせるという方法です。また、遂行の記録をグラフにして、熟達者の水準と比べながら、指導を調整するといった方法も考えられます。

上記の5つを組み合わせるやり方が理想的ですが、なかでも「支援(足場かけ)」が特に大切であると示されています。

一方で、高い段階の課題を求めすぎて、フィードバックだけを与えていると、かえって遂行の段階が下がる可能性もある点に注意が必要です(その理由としては、失敗に向き合うことへの防衛反応や、自分より高い段階の遂行を身近に見られないことが考えられるようです)。

冒頭の「もっと具体例を」という声があったときには、まずは具体例を渡しつつ、そこから共通の構造を抜き出す問いを添える。そして慣れてきたら、少しずつ具体例を減らしていく。このように、相手の状況にあわせて足場を渡したり、足場を外したりを試しながら関わりを変えていくという、伴走的な進め方が最も有効な支援と言えるでしょう。

こうした思考のトレーニングは、ウェイトトレーニングに似ています。

負荷が簡単すぎれば鍛えることにならず、逆に負荷が重すぎれば怪我をします。

何を持って負荷に感じるかは、その相手の特性や状況に応じて変わってきます。

そして、トレーニングをすれば簡単に筋肉がつくわけではなく、段階の移行には、多くの場合、年単位の時間がかかります(同マニュアルでは、移行は最も速くても2年に1回程度とされています)。

一朝一夕には身につきませんが、適切な負荷と支えがあれば、その人なりの歩みで、思考の器は広がっていくのです。


まとめ

冒頭の問いに戻りましょう。同じ説明をしても、「もっと具体的じゃないとわからない」と言う人と、「抽象的で本質的な話が役に立つ」と言う人がいるのはなぜでしょうか。

MHCの視点では、それは能力の優劣ではなく、「いま、その領域で扱える構造(視座)」に違いがあるからだと説明できます。

では、視座はどうすれば上がるのでしょうか。

それは、今の見方の限界に直面して混乱を経験し、そこに適切な支えがあるとき、一段ずつ上がっていくことになります。

このとき、限界にぶつかる経験がなければ、そもそもの枠組みが組み替わりません。

一方で、支えのないまま限界に直面すれば、混乱は破綻で終わりかねません。

だからこそ、半歩上の課題への挑戦と、適切な足場かけの支援が必要です。

「抽象的な話で、かえって混乱した」という反応は、失敗ではなく、既存の枠組みが揺らぎ始めたサインかもしれません。

そこで安易な正解に戻らず、具体例を添えながら、少しずつ足場を外していく、こういった伴走的支援が、視座を一段ずつ引き上げることになります。

器とは、一見すると矛盾し、対立し合う複数の現実を、そのまま抱え込み、より高次の視点で統合を引き受けられる心の許容量とも言い換えられます。

それは、混乱の時期を経て、見方を新しい形にまとめ直す姿勢とも重なり、こうした姿勢を筆者は「ケイパビリティ」と呼んでいます(詳しくはこちらの記事をご参照ください)。


ここまでを読んで、「では、明日から何をすればいいのか」と思われた方もいるかもしれません。

大がかりなことは必要ありませんので、日々の仕事や生活の中で、まずは次の3つを試してみてください。

  1. 具体と抽象の構造を往復する練習:目の前の具体的な出来事から「共通する構造」を1つ抜き出し、別の現場や文脈の中で、仮説を立てながら、その構造が当てはまるかを試してみる。
  2. 自分の限界に、無理のない範囲で直面する練習:現在の見方では説明しきれないこと、理解しきれないこと、背伸びすれば届きそうな複雑な課題に、あえて向き合ってみる。
  3. 他者の視点という支えを借りて、自分の枠組みを相対化する練習:一人で抱え込まず、自分とは異なる前提を持つ人と積極的に対話して、お互いの見方を比較しながら相違点(なぜ相違点が生まれているのかを含めて)を考えてみる。

また、育成する立場の方にとっては、部下や後輩が壁にぶつかって混乱しているときは、すぐに答えを渡したくなることも多いと思います。

そのとき、具体例とヒントを添えて、半歩上の課題を渡しすことを意識し、慣れてきたら、少しずつ足場かけを減らしていくとよいでしょう。


今や、生成AIが答えを瞬時に差し出してくれる時代です。

しかし、その答えは統計的に標準化されたものであり、いわば究極の「具体的な正解」の連続です。

それを単に受け取る・鵜呑みにするだけでは、冒頭の若手と同じ状態にとどまってしまいます。

AIが出力した答えを材料にして、自分の文脈で編み直す応用力が、これまで以上に問われてきます。

具体を手放さず、同時に視座を高めて、本質と向き合い続ける――この繰り返しによって、人としての器は着実に育まれていきます。


●参考文献

Commons, M. L., & Chen, S. J. (2014). Advances in the model of hierarchical complexity (MHC). Behavioral Development Bulletin, 19(4), 37–50.

Commons, M. L., & Jiang, T. R. (2014). Introducing a new stage for the model of hierarchical complexity: A new stage for reflex conditioning. Behavioral Development Bulletin, 19(3), 1–8.

Commons, M. L., & Richards, F. A. (2002). Organizing components into combinations: How stage transition works. Journal of Adult Development, 9(3), 159–177.

Commons, M. L., Gane-McCalla, R., Barker, C. D., & Li, E. Y. (2014a). The model of hierarchical complexity as a measurement system. Behavioral Development Bulletin, 19(3), 9–14.

Commons, M. L., Li, E. Y., Richardson, A. M., Gane-McCalla, R., Barker, C. D., & Tuladhar, C. T. (2014b). Does the model of hierarchical complexity produce significant gaps between orders and are the orders equally spaced? Journal of Applied Measurement, 15(4), 422–450.

Commons, M. L., Ross, S. N., Miller, P. M., Richardson, A. M., Crone-Todd, D., & Miller, J. G. (2015). Applying the model of hierarchical complexity: Scoring moral narratives and constructing moral development instruments. Dare Institute.

Commons, M. L., Trudeau, E. J., Stein, S. A., Richards, F. A., & Krause, S. R. (1998). The existence of developmental stages as shown by the hierarchical complexity of tasks. Developmental Review, 18(3), 237–278.


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【新サービス】「キャリア自律職場診断」を共同開発しました https://h-utsuwa.com/service/career-jiritsu-shokuba-shindan Sun, 04 Oct 2026 13:13:25 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7854 このたび、株式会社シェイク様と共同して「キャリア自律職場診断」を開発し、提供を開始いたしました。

社員・上司・組織それぞれの「キャリア自律の実践・浸透」を支える診断です。

▶ サービスの詳細はこちら(シェイク公式ページ)

開発の背景

「キャリア自律」は、人によって解釈が変わりやすい言葉です。会社や上司は「自分のキャリアを自ら作ってほしい」と願い、社員は「キャリア自律と言うなら、自分の意向をもっと尊重してほしい」と感じる。悪意はないのに期待がすれ違い、いつしか「言っても仕方ない」という諦めに変わってしまう職場が少なくありません。

また、研修やキャリア面談で得た気づきが、日々の職場でどう実践され、支援されているのかは見えにくいままです。従来のキャリア自律診断は個人の実践度の測定が中心で、それを支える上司や組織の状態までは把握しきれませんでした。

この診断のポイント
  • 個人から組織まで可視化:本人のキャリア自律の実践度に加え、上司の支援度合いや組織の成熟度まで診断します
  • 3者それぞれに次の一手を提示:社員・上司・人事の課題と打ち手を示し、同じ方向を向いて取り組めるようにします
  • 手軽に実施:Webアンケート形式で、全70問・約15〜20分です
メッセージ

研修や面談という「点」の支援で終わらせず、キャリア自律が日常の中で実践され、育まれていく「職場・組織」をつくりたい。その想いでこの診断を開発しました。

社員も上司も人事も、同じ方向を向いて次の一歩を考えられる職場づくりに、お役立ていただければ幸いです。

詳しくは公式ページへ

サービス内容、導入の流れ、レポートサンプルはシェイク公式ページでご覧いただけます。

▶ 診断の詳細・お問い合わせはこちら(シェイク公式ページ)

キャリア自律支援研修|キャリアを自ら考え、行動できる人材を育成|株式会社シェイク
キャリア自律を促進し、社員一人ひとりが自らのキャリアを考え、主体的に行動できる人材へ。株式会社シェイクが、階層や組織の課題に合わせたキャリア自律支援研修をご提案します。
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Flier(フライヤー)にて『組織の器』の要約記事を掲載いただきました https://h-utsuwa.com/news/flier Fri, 28 Aug 2026 11:43:20 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7641 Flier(フライヤー)にて『組織の器』の要約記事を掲載いただきました。

以下のリンクよりご覧いただけます。

組織の器 | 本の要約サービス flier(フライヤー)
「器」という、経営書には珍しい言葉を軸に据えた一冊が登場した。著者は、組織運営における施策や制度を「水」、それを受け止める組織や個人の土台を「器」になぞらえる。多くの組織は、器の状態を確かめずに水を注
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日本人材ニュースの書評コーナーに取り上げていただきました https://h-utsuwa.com/news/jinzainews2608 Fri, 21 Aug 2026 09:46:02 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7562 日本人材ニュースにて『【著者が語る】組織の器 なぜ「正しい」取り組みをしても人と組織は変わらないのか?』というタイトルで書評コーナーに取り上げていただきました。

以下のリンクよりご覧いただけます。

【著者が語る】組織の器 なぜ「正しい」取り組みをしても人と組織は変わらないのか? – 日本人材ニュースONLINE
人としての器羽生 琢哉 代表取締役社長 【PROFILE】人事分野の専門誌「労政時報」の編集者を経て、慶應義塾
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圧倒的成果をあげるカリスマリーダーのダークサイド――成功体験が組織の器を閉ざす https://h-utsuwa.com/outline/pseudo-transformational-leadership-dark-side Mon, 17 Aug 2026 07:44:32 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7406 あるカリスマ経営者のお話です。

その会社は右肩上がりに成長を続け、近年上場を果たしました。

崇高な理念を掲げ、メンバーは凄まじい行動量で成果を出し、業績の伸びに比例して待遇も悪くありません。

離職率は業界水準を下回り、外からは再現性の高いマネジメント手法として高く評価されています。

その経営者は、「当社は社員の幸福と人格的な成長を大切にしている。それを通じて、少しでも多く社会に貢献することが使命である」と力強く語りました。

さらに、「付加価値を生んで、顧客に貢献して、雇用を増やして、株主に適切に配当する。たくさんの税金を納めている事業家こそが、最も社会に貢献している」と言い切りました。

それ自体は、素晴らしいことですし、たしかに、そういった側面もあると思います。

それでも、私にはうまく言葉にできない違和感が残りました。

圧倒的な成果は出ている――。

しかし、本当に社員は幸せなのだろうか?
本当に社員は人として成長しているのだろうか?
本当に未来の社会にとって必要な付加価値を生んでいるのだろうか?

けれど、成果が出ている以上、こうした問いは不毛なものとして切り捨てられます。

そんな問いは、成果を出していない者の戯言である――と。

では、こうしたマネジメント手法に頼り続けて、組織として本当に健全な状態なのか。

そのことを慎重に検討する必要があります。

そこで今回の記事では、圧倒的成果をあげるカリスマリーダーのダークサイドを掘り下げます。


なぜカリスマリーダーの成功法則が圧倒的な成果を生むのか

まず、カリスマリーダーのマネジメント手法が、なぜこれほど機能するのかを整理します。

理屈は単純で、カリスマリーダーのマネジメントは基本的に次の3ステップで進みます。

①実績の提示

はじめに、カリスマリーダーが自分の成し遂げてきた実績を誇り高く語ります。

ここは抽象論ではなく、例えば以下の内容に関して、具体的なデータで語ることが重要です。

  • 右肩上がりに成果を上げてきた
  • 右肩上がりに仲間を増やしてきた
  • 多様な事業をつくってきた
  • 絶体絶命のピンチを乗り越えてきた
  • 優れた実績を表彰された


②成功法則の提示

次に、なぜこれほど成功を収めることができたのか、その理由として大事にしてきた価値観を明示します。

例えば、以下のような観点が挙げられ、これが成功法則としての拠り所となります。

  • 高い志を掲げる
  • 約束は絶対に守る
  • 何よりもスピードが命
  • 絶対に目標達成を諦めない
  • お役に立つことが喜び
  • 仕事の報酬は仕事
  • 人生の勝者になる
  • ブレない信念を持つ
  • 素直な人間になる
  • なんでも断らずに引き受ける
  • 圧倒的な行動量をこなす
  • 批判者ではなく、実行者であれ


③成功法則を理念にして浸透させる

そして、上記の成功法則を毎日社員に唱和させ、それがどれほど実現できたかを週次で振り返らせ、リーダーにレポートさせる仕組みをつくります。

実際に成功した人には高い報酬で報いて、ドーパミンの分泌を刺激します。

成功しない人には、なぜ成功できないかを成功法則に照らして反省させ、改善させるように促します。


このようにして、圧倒的な成果を生む「ドーピング組織」ができあがります。

もし、楽をしよう、さぼろうとする社員がいれば、「高い志を掲げる」「約束は絶対に守る」「何よりもスピードが命」「絶対に目標達成を諦めない」をもとに問いただします。

もし、エンゲージメントが下がっている社員がいれば、「お役に立つことが喜び」「仕事の報酬は仕事」「人生の勝者になる」「ブレない信念を持つ」をもとに奮起させます。

反論したり異を唱えたりする異分子がいれば、「素直な人間になる」「なんでも断らずに引き受ける」「圧倒的な仕事量をこなす」「批判者ではなく、実行者であれ」をもとに異論を退けます。

これにより、成功法則を根拠にしながら社員のマインドをコントロールし、「思考を止めて全力で走り続ける社員」が育成され、組織として優れた成果を生み続けることが可能になるのです。


疑似変革型リーダーシップという補助線

この手法の問題点をより深く理解するために、リーダーシップ研究における疑似変革型リーダーシップ(pseudo-transformational leadership)という概念を用いて考えてみます。

本来の変革型リーダーシップは、道徳的ビジョンを掲げてメンバーを鼓舞し、メンバーの自律的な思考や成長を促すことで、組織をより良い方向へ導くマネジメントスタイルです。

しかし「疑似」変革型リーダーシップは、表面上は本物の変革型リーダーシップと非常によく似ていながら、まったく異なるメカニズムで動いています。

この概念を4つの要素として整理した Christie et al. (2011) は、疑似変革型リーダーが、変革型リーダーシップを構成する要素のすべてを、利己的な方向に反転させて使っていると説明します。

1. ビジョンを自己利益のために使う(理想化された影響力の歪み)

本物のリーダーが全体の利益を最優先するのに対し、疑似変革型リーダーは自己利益と支配欲に突き動かされています。

リーダーが語るビジョンは、実際はリーダー個人の目的(絶対的な権力の誇示や自分の取り分の確保など)を達成するという裏の目的を隠しながら美化されており、最終的にメンバーの個人的な利益(自分らしい幸福の享受)を犠牲にする結果を招く懸念があります。


2. 欺瞞によって動機づける(鼓舞的動機づけの悪用)

本物のリーダーも偽物のリーダーも、未来の目標に向けて部下を熱狂させる力が高い点では共通しています。

しかし、疑似変革型リーダーのカリスマ性には「欺瞞」が伴います。

道徳的なビジョンを伴った成功法則は、実際は部下を啓発・成長させるためではなく、部下の認識を巧みに操作し、自分の代わりとなるように思い通りに動かすためのツールとして使われています。


3. 自律的な思考を抑圧する(知的刺激の反転)

本物のリーダーはメンバーに「自ら考えること」を求めます。

一方、疑似変革型リーダーにとって、メンバーが独自の思考を持ち、自分のビジョンに異を唱えることは邪魔でしかないと考えます。

そのため「素直であれ」「批判者になるな」といった成功法則を盾に、反対意見を封じ込めます。

この点は特に重要なポイントで、単なる放任型リーダーであれば、部下が自分で考えようが考えまいが関心を持ちませんが、疑似変革型リーダーは、部下が自分で考えはじめたり、自分のやり方に疑問を持ったりすると困るため、それを積極的に潰しにかかるという特徴があります。


4. メンバーを道具として搾取する(個別的配慮の反転)

本物のリーダーは一人ひとりの自分らしさに沿った成長の形に配慮しますが、疑似変革型リーダーはメンバーを「目的を達成するための道具」として利用できる範囲においてのみ、その成長を高く評価します。

さらに、メンバーの目標未達やモチベーションの低下は、すべて「成功法則からの逸脱」という自己責任にすり替えられ、徹底的に矯正すべき対象となります。


こうしたマネジメントの結果として、メンバーはリーダーに対して強い「恐怖」「服従」を抱くようになります。

次第にリーダーの意思決定に疑問を持たなくなり、異議を唱えた場合の否定的な反応を恐れて、盲目的に従うようになります。

「あのカリスマリーダーの言うことに従えば、私も人間的に成長し、成功できて、社会における立派な人間になれる…!」といった結果を招きます。

冒頭で書いた「本当に社員は幸せなのか、成長しているのか」という違和感の正体は、ここにあります。

メンバーは「自分が成長している」と感じていても、実際にはリーダーが求める成長の形に「依存」し、ルールから外れることへの「恐怖」に駆り立てられているだけ、という状況に陥っているかもしれません。


ただし、注意が必要なのは、上記の疑似変革型リーダーシップの理論では、リーダーが利己的に自己利益を優先していることを前提に置いています。

けれども現実には、リーダー本人が、まっすぐに「社員の幸せ」や「社会への貢献」を願っていて、必ずしも自己利益を優先しているとは言えないものの、その信念が強すぎて問題を生じさせているケースも多々あります。

ただ、そのようなケースであっても、なお、上記と似た構造(メンバーのリーダーに対する恐怖と服従)が生まれることがあります。

いや、むしろ厄介なのは、そうしたケースのほうかもしれません。

悪意は簡単に疑えますが、善意は疑いにくいからです。

「あなたの成長や幸福のため」「社会への貢献や利他のため」という純粋な大義名分は、それが善意であるほど、反論しようとするメンバーに強い罪悪感を抱かせて、「反論するほうがおかしいのではないか」という自責へと追い込みます。

同時に、リーダー自身からも「自分が間違っているかもしれない」という自省の機会を無意識に奪ってしまいがちです。

善意によって確立された成功法則は、いったん組織の理念として掲げられると、異論を選別する機能を持ち始めるようになります。

仮にリーダーが心の底から社員の幸福を願っていたとしても、「素直な人間であれ」「批判者ではなく、実行者であれ」という言葉は、それを受け取る部下にとっては、等しく反論を封じる圧力として作用していきます。

つまり異論をふるいにかけているのは、リーダーの善意でも悪意でもなく、成功法則というルールの構造そのものなのです。

だからこそ、リーダー個人がどれほど善意で行っていたとしても、このマネジメントスタイルに頼った構造は、本人の意図を離れて自動的に負の側面が動き続けてしまうことになります。


カリスマ神話の崩壊:「魔法」が解けた人から、去っていく

では、この「ドーピング組織」は、いつまで機能し続けるのでしょうか。

事実、短期的には、リーダーの目が届く範囲において、きわめて有効に機能することのほうが多いと言えます。

しかし、その効き目は、ある条件を境に消えることになります。

Lin et al. (2017) の研究によれば、本物の変革型リーダーも疑似変革型リーダーも、似たような行動をとることから客観的に見分けることは難しいものの、部下側がそこに「操作的意図(manipulative intention)」――結局はリーダーの独善的なエゴではないか、という匂い――を嗅ぎ取ったときに、カリスマリーダーの神話が崩壊すると指摘します。

どれほど「社会貢献」や「社員の幸せ」という大義名分で綺麗に包み込んでも、日常のふとした意思決定や、業績が悪化したときの振る舞いのなかに、その独善的な匂いが漏れ出ることがあります。

そう感じられた瞬間、メンバーのなかで魔法が解けていきます。

上記の研究では、操作的意図を強く感じている部下ほど、リーダーの働きかけが組織への一体感につながらなくなり、「この会社のために自発的に頑張ろう」という、求められた以上の貢献も引き出されなくなることが示されました。

さらに、部下はリーダーの利己的な姿勢そのものを学習する、とも指摘されています。

崇高な理念はいつしか建前になり、社内には「いかにカリスマリーダーに従順なふりをして、自分の身を守るか」という空気が広がっていく懸念があります。

そうした空気が蔓延すれば、「このやり方は、どこかおかしいのではないか」と声を上げることは構造的に困難となります。

短期の指標では成果が出ている以上、そうした異を唱える主張は、個人の人格の問題(成功法則を体現していない問題児)として処理されます。

「あいつは否定的だ」「覚悟が足りない」「評論家だ」など、成功法則に背く発言として、片づけられてしまうのです。

このようにして、徐々に、異なる意見や問いを立てること自体にリスクやコストが発生するようになります。

そして、リスクを取って、そのコストを払えるような、健全な思考・判断ができる人から順に、組織を離れていくことになります。

結果として、残るのは、この手法と相性のよい共依存的な人たちだけです。

彼らにとって組織は本当に居心地がよく、自らの価値観と重なっている限り、異論など生まれるはずがありません。

つまり、離職率の低さは、それだけでは健全さの証明になりません。

異議を唱える人が先に抜けたあとの、同質的な価値観が凝縮された結果かもしれないからです。


異論が届かなければ、徐々に組織の器は凝り固まっていく

成果が何よりも優先されるというフェーズがあることは、事実です。

そもそもカリスマリーダーは、当初は、必要に迫られてこの手法を採ったのかもしれません。

問題は、この依存的に成果を生み出すマネジメント手法からの降り方です。

この手法は、成果が出なくなるまで、やめる理由が生じません。

そして環境変化に伴い、成果が上がらなくなったとき、誰の目にも明らかに失敗だったと気づく頃には、たいてい手遅れになってしまいます。

なぜ「手遅れ」になるのでしょうか。

それは業績という結果に表れた時点で、立て直しに必要な組織の基礎体力がすでに喪失しているからです。

危機を救うはずの「自律的に考え異論を唱える人材」はすでに組織を去り、長年の同調圧力によって残されたメンバーで自律的な思考や率直な対話を行う筋肉は退化しています。

さらに、成功法則が道徳として深く刷り込まれているため、過去の成功体験を手放す「アンラーン(学習棄却)」ができず、焦ったリーダーが「まだまだ理念の浸透が足りない」とさらにアクセルを踏み間違え続けることで、組織崩壊への進行は免れなくなります。

だとすれば、この手法への依存を抜け出すためには、たえず外からの異論に耳を傾けるしかありません。

すなわち、「このやり方は、もう必要ないのではないか」「異論を封じ込めて、社員を思考停止させるのは、よくないのではないか」というフィードバックへの開放性です。

ところが、それはまさに前提そのものを問い直すような発言にほかなりません。

そして、この手法の拠り所となる成功法則では、その種のフィードバックを綺麗に濾過するようにできています。

この手法から抜け出すための唯一の理由となる異論が、構造上、リーダーのもとには届かないのです。

しかも、受け取る側のリーダーからすれば、異論がないことと、異論が言えない雰囲気ができていることの区別がつきません。

反対意見の出ない会議は、合意の取れた会議と見分けがつきません。

組織の頂点にいるリーダーほど、届く情報は、リーダーに届く前にすべて都合よく濾過されています。

だからこそ、トップに立つリーダーこそが、日々「器」を磨いていくことが重要になります。

自分の判断がどこまで適切なのか、視野狭窄に陥っていないか――自らの器の限界は、他者との摩擦によってしか気づくことができません。

とりわけ、自分とは異なる前提に立つ他者からのフィードバックが、自らの器の輪郭を教えてくれます。

強烈な成功法則が異論を綺麗に濾過してしまえば、器の限界をたしかめる術(すべ)も失われます。

かつては見えていた自分の限界が、成功を重ねるたびに、少しずつ見えなくなっていく。

そして最終的に、自らの成功体験から降りるという判断が、取り返しのつかないタイミングがくるまで、できなくなってしまうのです。


おわりに

正しいこと(大義名分)を武器にして人を動かす手法は、事業を急拡大させるフェーズでは特効薬になります。

問題は、それが効きすぎてしまうくらいに効いてしまい、気づかぬうちに依存的にのめり込んでしまうことです。

効くからやめられず、やめないから、やめどきを教えてくれる異論の声もかき消されていきます。

リーダーの器を閉ざすのは、失敗ではなく、むしろ成功のときかもしれません。

失敗は、自分の限界を教えてくれますが、成功は、自分に課題などないかのように、盲目的に心地よくしてくれます。

そしてリーダーの器が閉じたとき、組織の器も、そこで止まります。

こうした組織では、成功法則をなぞる都合のいい兵隊/経営者のコピーは育っても、リーダーの思考の枠を超えて新しい価値や異論を生み出せる人材は育ちません。

次第に、異なる考えを持ったユニークなメンバーが次々と去り、大きな環境の変化に耐えきれず、新しい時代の流れに取り残されることになります。

だからこそ、リーダーは異論が届く経路を常に用意しておくことが必要です。

問題が起きてからでは、手遅れで、リスクマネジメントとして、組織の健全性や持続可能性を高めるためにも、リーダーには常に器を磨き続ける姿勢が必要です。

大がかりな制度でなくてもかまいません。

利害関係のない相手からの率直なフィードバック。
会社を辞めていこうとしている人からの正直な言葉。
まったく違う前提に立つ社外の人との本音の対話。

冒頭の経営者に本当に必要なのは、「社員の幸福を大切にしている」「税金を納めて誰よりも社会に貢献している」と言い切ることではなく、「私の言葉を、社員は反論できずにただ受け止めているだけではないか」「私のせいで異論が封じ込められてはいないか」と内省してみることかもしれません。

どれほど圧倒的な成果を上げていても、成果の量は器の大きさの証明にはなりません。

器の大きさを本当に証明するのは、成果を出してもなお、自分にとっての異分子を招き入れられるかどうかです。

だから、もしあなたが組織のリーダーなら、異論がないのは、本当の合意なのか、それとも言えないからなのか、を謙虚に問い直す必要があります。

もしあなたが組織のメンバーなら、リーダーに対して率直に異論を言うことができるかどうか、またリーダーに操作的意図が感じられないか、このリーダーの下でほかならぬ自分らしい幸福を追求できているか、を真剣に問い直す必要があります。

こうした問いを忘れずに抱えながら、目先の成果の裏で、いつの間にか失われている大切なものについて、今一度、立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。


●参考文献

Christie, A., Barling, J., & Turner, N. (2011). Pseudo-transformational leadership: Model specification and outcomes. Journal of Applied Social Psychology, 41(12), 2943–2984.

Lin, C.-S., Huang, P.-C., Chen, S.-J., & Huang, L.-C. (2017). Pseudo-transformational leadership is in the eyes of the subordinates. Journal of Business Ethics, 141(1), 179–190.

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【YouTubeアーカイブ】『”人の器”は、科学だった。──経営学が解き明かす、これからのリーダーの育て方』(やさしいビジネスラボ主催) https://h-utsuwa.com/event/7-24_yasabi_live Mon, 03 Aug 2026 13:09:42 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7245 「スキルは十分なはずなのに、なぜかリーダーとして一歩足りない」
——頭ではわかっていても、その”何か”を言葉にできずにいませんか。

その正体は、リーダーの「器」かもしれません。
しかも近年、”器の大きさ”は感覚の話ではなく、研究に裏づけられた理論として語れるようになってきています。

今回のライブでは、やさビ学長・中川功一が聞き手となり、「人としての器」を研究する羽生琢哉氏・高橋香氏をお迎えしました。
前半は「人の器を科学する」とはどういうことか、後半は「では、器はどう磨くのか」を、実際のワークを交えて体験形式でお届けします。

管理職の育成に関わる人事・経営の方、そしてこれからのリーダー像を考えたい方へ。
当日ご覧になれなかった方は、アーカイブでぜひご覧ください。

2026年7月24日(金)20:10〜(約60分)/YouTubeライブ
 中川功一(やさしいビジネスラボ)× 羽生琢哉・高橋香(人としての器)

▼アーカイブ動画はこちらから

▼当日の資料ダウンロードはこちらから

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法人向け「マネジメント実践プログラム 〜技を学び、器を磨く〜」を開発しました https://h-utsuwa.com/service/yasabi_program Sat, 18 Jul 2026 10:11:46 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7023 このたび、株式会社やさしいビジネスラボ(代表:中川功一)と共同し、企業の管理職を対象に、マネジメントの理論・スキル(技)と、リーダーとしての人間的な器(心)を、現場での実践(体)とともに半年かけて育てる「マネジメント実践プログラム 〜技を学び、器を磨く〜」を開発しました。

なぜ、このプログラムをつくったか

管理職は、「成果を出す」と「人を育てる」の間で板挟みになりがちです。

スキルや知識を学んでも現場の悩みは消えず、「何をするか」の前に「どうあるか」が問われる場面が増えています。

一方で、これまでの管理職研修は理論やスキルの習得に偏りがちで、「人としてのあり方・器」を正面から扱うものはほとんどありませんでした。

このプログラムは、経営学と「人としての器」の研究知見を掛け合わせ、その空白に応えます。

プログラムの特徴
  • 経営学 ×「器」の科学 … 経営学者・中川功一のマネジメント理論と、「人としての器」の研究に基づく器理論・診断・対話手法を組み合わせた、両社でしか実現できない設計です。
  • 心・技・体は不可分 … 「心(器)」「技(マネジメント)」「体(現場実践)」を切り離さず、各回で「理論を学ぶ→職場で試す」までをセットに、半年をかけて一体で高めます。
  • 成長を可視化 … 器診断で自分の現在地を把握し、最終発表会で半年の変化を言葉にします。全8回・約半年・個社型(1社の複数部署から参加)で実施します。

開講は2026年10月を予定しています。詳細はプレスリリースをご覧ください。
お問い合わせはこちらから。

▶ プレスリリース全文:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000107365.html

▶ やさビのサービス紹介ページ:https://yasabi.co.jp/20260713_corporate_training_practical_management/

経営学 ×「人の器」の科学で、管理職の”技”と”器”を半年で育てる 法人向け共同プログラム「マネジメント実践プログラム 〜技を学び、器を磨く〜」を2026年10月に開講
株式会社やさしいビジネスラボのプレスリリース(2026年7月13日 13時00分)経営学 ×「人の器」の科学で、管理職の”技”と”器”を半年で育てる 法人向け共同プログラム「マネジメント実践プログラム 〜技を学び、器を磨く〜」を2026年1…
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心理学ワールド第114号にてコラムを掲載いただきました https://h-utsuwa.com/news/psych_world_column Sat, 18 Jul 2026 08:50:43 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7021 日本心理学会が刊行している心理学ワールド第114号に『古くて新しい概念「人としての器」の探究』というタイトルでコラムを掲載いただきました。

以下のリンクよりご覧いただけます。

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WEB労政時報にて『組織の器』の書評を掲載いただきました https://h-utsuwa.com/news/rousei-review Sat, 18 Jul 2026 08:43:27 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=7019 WEB労政時報にて『組織の器 なぜ「正しい」取り組みをしても人と組織は変わらないのか』のBOOK REVIEW(書評)を掲載いただきました。

以下のリンクよりご覧いただけます。

『組織の器 なぜ「正しい」取り組みをしても人と組織は変わらないのか?』|WEB労政時報
人事パーソンへオススメの新刊をご紹介。毎月第2・第4金曜日に更新いたします。

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日本の人事部主催「HRカンファレンス2026夏」の8月27日に登壇します https://h-utsuwa.com/event/hr-conference-202608 Thu, 09 Jul 2026 08:52:14 +0000 https://h-utsuwa.com/?p=6885 「人が育たない、でもすぐに成果を出さなければならない」

——こうしたジレンマを抱える人事担当者は少なくありません。

成果を急ぐほど育成は即効性のあるスキル習得に偏り、リーダーが自らの「器」を育てる余白が失われ、人が育たないまま短期成果に頼り続ける悪循環に陥りがちです。

本講演では、対話を通じてリーダー個人が「器」を磨くアプローチと、人材戦略・データ分析・評価制度の設計など「組織の器」を広げる仕組みづくりの両面を解説します。

後半のディスカッションでは、自社の課題を持ち寄り、他社の知見を交えながら具体策を共に探っていきます。

リーダー育成の課題に向き合うヒントを、ぜひ持ち帰っていただければ幸いです。

  • 講演タイトル:
    成果偏重と疲弊の悪循環を断つ『組織の器』の広げ方――リーダーの「器」を磨き、人が育つ組織をつくるには
  • 日時:2026/08/27(木) 12:50-14:10
  • 場所:ベルサール東京日本橋 4F(〒103-6005 東京都中央区日本橋2丁目7-1)

お申込みはこちら:https://jinjibu.jp/hr-conference/202608/program.php#E-5

プログラム一覧|日本の人事部「HRカンファレンス2026-夏- in 東京」
8/26(水)・27(木)、ベルサール東京日本橋で開催。講演リストはこちらをご覧ください。


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