Data-Analysis

人事データ分析支援+器サーベイ(人事部対象)

人事データ分析を取り巻く現状

近年、人事データ分析の必要性が高まっています。

従来の勘と経験に頼ってきた方法から、データを踏まえた意思決定に変えていくことは、行きづまった現状を打破するためにも大切な姿勢です。

ただし、データ分析の方法は日進月歩であり、常に更新されていきますので、そこに追いかけるのも大変で、一般の人にとってはデータ分析へのハードルが高いのも事実です。

その結果、人事データを扱うことには抵抗感が生まれやすく、積極的な企業と消極的な企業での二極化が進んでるようにも思います。

一方で、人事データを扱える人たちの間では、まるでデータで示されたものがエビデンスとして正しいかのように扱われることもあり、データ分析に対する盲信もあるように思います。

データに慣れ親しんだ人ならわかると思いますが、データは現実の一側面を切り取ったに過ぎず、データが表すものが全てではありません。

そして、データ分析を通じて、そこから何を読み取り、意味を見出していくかは、専門家の言葉を鵜呑みにするよりも、むしろ現場を熟知した人事担当者が自らの頭で考える必要があります。


ご支援方法の特徴

これまで企業の人事部を対象とした研究プロジェクトに携わり、データ分析支援を行ってきました。

それを通じて、単にデータを取得・分析することより、むしろ、それ以前の目的設定と、その後のディスカッションこそが肝要であることを実感しました。

なぜデータを取得するのか、データを用いて何を明らかにしたいのか、データから何を読み取るのか――これらを当事者が自らの頭で考え続ける姿勢が、何よりも大切になります。

このことを踏まえて、私たちのご支援方法の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 学術的な見識も踏まえて人事分野を統合的に捉えた視点から、クライアントの視座を高めるような関わりをします。
  • 人事関連の実務雑誌の編集者を経験し、学術研究に携わってきた担当者が、机上の空論ではなく現場の問題に寄り添ったデータ活用の進め方をご支援します。
  • 私たちが一方的に正解を提示するのではなく、あくまでクライアント自身の中に答えがあるという考えの下で、クライアント自身で学習能力を高め、将来クライアントが自らの問題を解決できるようになるための支援を行います。
  • データには表れない現実の深層に迫ったうえで、今後の取り組みを検討しようとする人事担当者の器に働きかけるアプローチを行います。

従来の方法とは異なる枠組みの新しい支援方法となりますが、各社の推進体制やスケジュール、ご予算等のニーズを踏まえた進め方を提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談くださいますと幸いです。


ご支援のイメージ

私たちの人事データ分析は、次の枠組みで行われます。

まず、一般的な企業において、人材戦略や人事施策の組み合わせを総称である「人事システム」が、人事部が発信するメッセージや人事方針・人事制度、人事部の問題への対処姿勢などの「コミュニケーション」というメカニズムを通じて、従業員の行為(例えば、就業継続・離職)に影響をもたらしていると想定されます。

このとき従業員の行為はどのような実態として表れているのか、組織にとって望ましくない現状があるのかどうかを、データを取得しながら見極めていく必要があります。

そして、データ分析を通じて、構造的な問題を的確に把握し、その問題にどう取り組むのかという基本方針としての人材戦略を定め、具体的な実行方法を設計していくことが必要となります。

こうした全体像を踏まえて、人事データ分析のプロセスを整理すると次のとおりです。

  1. 課題・目的
    まず、何を目的としてデータを取得するのか、先行研究では何がわかっているのか、自分たちにとって何が課題なのか、どのような仮説が考えられるのかを十分にディスカッションする必要があります。こうした議論を経ずに、「とりあえずやってみたい」「流行っているからやりたい」という理由で始めていくと、最終的に「期待したデータが得られなかった」という事態に陥ってしまいがちです。「なぜやるのか」に十分な議論を尽くすことが、一丁目一番地にして、最も重要なステップです。
  2. データ収集
    課題や目的が定まったら、いざデータを収集しますが、どのようなデータを用いることができるかは、発想を広げて検討する必要があります。例えば、「パフォーマンス」という概念は曖昧であり、何のデータをもってパフォーマンスと判断できるかは難しい問題です。質的データか量的データか、あるいは既存データが使えるのか、新規のアンケートやインタビューが必要なのか、そして取得したデータは信頼に足るものなのかを十分に検討したうえで、様々なデータを集めていく必要があります。
  3. データ分析
    分析に当たっては、そもそもの目的に照らして分析手法を定める必要があります。単に流行りだから、カッコいいからという理由で、必要以上に高度な分析をする必要はなく、むしろ、分析の限界を理解したうえで、あくまでディスカッションの材料として、全体傾向や属性別・個別傾向を可視化するという姿勢が重要です。あまりに高度な分析をしても、現場の人が理解できない可能性がありますので、基本的には誰にでもわかりやすいように、ベーシックな分析結果を示すことが大切です。
  4. 議論・対話
    分析結果をどう読み取るかは、多視点からの議論を尽くす必要があり、むしろデータ分析よりも重要なステップです。多くの場合、データしか情報を得ていないデータ分析の専門家よりも、現場を解像度高く知っている担当者のほうが深い洞察を得られることがあります。一方で、現場は現場で培ってきたバイアスがあり、結論ありきで解釈を捻じ曲げたり、データを拡大解釈しすぎてしまうこともあり、その場合は専門家が俯瞰して助言する必要があります。そのため、現場担当者とデータ分析の専門家がお互いをリスペクトして、相互の欠点を補完する姿勢で対等に対話することが求められます。
  5. 施策
    多くのデータ分析プロジェクトは、組織の現状としてのデータを可視化して終わってしまいがちです。しかし、本来は、データ分析を通じて、どのように組織の現状を変えていくかという施策のアイデア出しと実行に向けた意思決定が重要になります。そのため、データ分析者は、単に理論的な視座に偏らず、実務的な施策の展開を踏まえて、現実的にデータをどのように活用していくかという意識を持ちながら、施策の策定にも関与していくことが求められます。
  6. 評価・検証
    施策は展開して終わりではなく、むしろそれがスタートです。それゆえ、施策の運用プロセスを評価し、期待したアウトカムが得られているのかを、随時検証していく姿勢が求められます。そこでは再び評価・検証用のデータを取得することになり、ここにきて、もう一度、そもそものデータ分析の目的に立ち返ることになります。そして、期待したアウトカムが得られていない場合は、また新たに目的を定めて、新たな人事データを取得していくというプロセスをつくり込むなど、データ分析の循環サイクルを回していくことが必要になります。


このように人事データ分析は時間のかかる大変なプロジェクトですが、このプロセスの習慣化を通して、望ましくない組織の現状を把握し、それを変えていく実践を継続的にできるようになります。

言い換えれば、人事データ分析を通じて、「組織の器」をつくり続けることになります。

貴社の課題認識を踏まえたうえで最適な進め方をご提案いたしますので、ご興味のある方は、お気軽にお問合せいただければ幸いです(正式な実施前の数回は、無料でご相談を承ります)。

※新規アンケートを実施する場合、私たちが独自に開発した「組織の器サーベイ」をご使用いただくことも可能です。「組織の器サーベイ」の分析支援も承りますので、ご関心がありましたら、ぜひご相談くださいますと幸いです。


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