HR-Strategy

器を基軸とした人材戦略策定支援(人事部対象)

人材戦略が求められる背景

「人材版伊藤レポート」(経済産業省, 2020)を皮切りに、「人的資本」というキーワードが注目を集めており、「人的資本可視化指針」(内閣官房, 2022)により、各企業では人的資本の開示に向けた対応に迫られています。

ただし、どのような内容の人的資本を可視化するのかは、唯一無二の正解がないため、自社なりに人材戦略を十分に議論したうえで定めることが重要となります。

自社の方針が不明瞭なまま、人的資本に関する情報開示のガイドラインISO30414に準拠した標準的な指標を追い求めてばかりいると、他社比較可能な基準の中で優劣が比較され、自社独自の価値が埋もれてしまいかねません。

そもそも、各社の置かれている状況や背景は異なり、標準的な指標を追い求めることが自社の持続可能な価値向上に結び付くとは限らないため、自社の強みや課題をしっかりと明確にし、どのように従業員と向き合っていくのかという方針に関して、自社なりに一貫したストーリーを構築することが必要となります。


ご支援方法の特徴

それでは、具体的にどのように人材戦略を策定すれば良いでしょうか?

私たちは、企業の人事部を主たる対象に、自社独自の人材戦略の策定を伴走して支援するワークショップを開発し、いくつかの協力企業の下でワークショップの試作版を実施して、その効果を検討してきました。

その成果の一部は、下記の学会にて発表しています。

  • 羽生琢哉, 佐藤優介, 前野隆司(2023)「人的資本経営の実現に向けた人材戦略策定ワークショップの提案」経営行動科学学会第26回年次大会
  • 羽生琢哉(2024)「従業員視点を踏まえた人材戦略策定支援の介入事例 」日本労務学会第54回全国大会

私たちのご支援方法の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 学術的な見識も踏まえて人事分野を統合的に捉えた視点から、クライアントの視座を高めるような関わりをします。
  • 人事関連の実務雑誌の編集者を経験した担当者が、机上の空論ではなく現場の問題に寄り添ったご支援をします。
  • 私たちが一方的に正解を提示するのではなく、あくまでクライアント自身の中に答えがあるという考えの下で、クライアント自身で学習能力を高め、将来クライアントが自らの問題を解決できるようになるための支援を行います。
  • 従来の経営視点に基づく形で「あるべき姿」から人材戦略を定めるアプローチは、規則や制度を一方的に策定するような短絡的な問題解決に陥りがちです。そうではなく、組織内の複雑な関係者との関わりの中での相手の立場への関心や理解を深めて、課題の深層に迫ったうえで、今後の取り組みを検討しようとする人事担当者の器に働きかけるアプローチを行います。

上述のとおり、従来の方法とは異なる枠組みの新しい支援方法となりますが、各社の推進体制やスケジュール、ご予算等のニーズを踏まえた進め方を提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談くださいますと幸いです。


ご支援のイメージ

本ワークショップでは、次のことを目指しています。

  • 人的資本開示に向けた第一歩である人材戦略について、指標ありきや他社の模倣ではなく、なぜ人的資本への投資が重要なのかという理解を深め、自社ならではの視点から人材戦略を策定することを目指します。
  • 主に責任者以上の人事・経営層を対象として、組織内外の要因(経営、従業員、過去、未来)および各人事施策の方針を踏まえながら、統合させて人材戦略を考える力としての器を養います。
  • 人材戦略の策定プロセスにおいては、人事部内および経営層や従業員とのコミュニケーションを必要とするため、関係者と率直に対話する意識の醸成を目指します。
  • 自社の人材に関する課題および戦略に対する理解を深め、経営層や従業員に明確なメッセージとして伝えられることを目指します。

上述の目的を達成するために、学術的な知見をもとに2つのフェーズからなるワークショップ(WS)を設計し、各要素を統合的に検討した人材戦略の策定をご支援します。

フェーズ1では、人材戦略を組織内外の要因を考慮した統合的なストーリーとして作成します。

フェーズ2では、フェーズ1で仮置きした人材戦略と整合するように、各人事施策の運用方針を定め、それを踏まえて再度人材戦略を見直す流れとなります。

ワークショップのアウトラインをまとめると、次のとおりです。


ご支援の流れ

具体的なご支援の流れは以下のとおりです。なお、設計・所要時間はお客様のご要望を踏まえて、柔軟に調整いたします。

また、人材戦略を策定後、貴社で施策を展開し、効果指標を策定するに当たってのご支援についても承ります。

フィードバックセッションに向けた事前課題のワークシートの例は以下のとおりです。

ワークシートの記入はなかなか大変かもしれませんが、真剣に取り組めば人事分野を総合的に学習でき、またご参加いただく人事担当者同士の意見の違いを理解しながら、人事の知見を一段と深めることにつながります。


ワークショップを実施した企業様の声

新たな制度設計をするにあたり、重要なのは現状を俯瞰してみて、会社として向かうべき方向を設定することと思います。このワークショップでの議論を通じて、これらが深まったと思います。

ご指摘いただくことによる気づきだけでなく、人事部長と一緒に参加させていただくことで、どのような点に悩み、どのような点に自信を持って答えるか、そこを知ることが出来たことが非常に大きな財産でした。 より良い姿を目指して、こちらの気づきを社内でさらにディスカッションしていきたいと思います。

人材戦略を考え、実際に制度設計を始める決断が出来たことは、非常に重要な転機だったと思います。今後、このワークショップでアドバイスいただいたことを実際に制度に落とし込み、実行していくフェーズとなっていきますので、ある意味ここからがスタートとも言えますね。課題も多いですが、この改革が不可欠だと思いますので、参加したメンバー&従業員の皆さんともしっかり連携して、進めていきたいと思います。

制度自体は作りこまれているにもかかわらず運用がうまくいっていなかったり、形骸化してしまっている点もあると感じ、現場にどんなメッセージを伝えたいかを明確にする必要性を実感しました。このワークショップを通じて、根源的な課題を導き出すことができ、その課題に向き合うための具体的な戦略も見えたと思います。


貴社の課題認識を踏まえたうえで最適な進め方をご提案できればと思いますので、お気軽にお問合せいただければ幸いです(正式な実施前の数回は、無料でご相談を承ります)。

※なお、お問合せいただいた企業の人事担当者様限定で、ワークシートを無料プレゼントいたします。


ご相談・ご依頼は、お気軽にお問合せください