「人としての器」について
「人としての器」という言葉をときどき耳にしますが、よくわからないと思いませんか?
この問いをきっかけに、私たちが研究を進めていくと、日本古来の「うつわ」という概念にはとても奥深い意味があることがわかりました。
「人としての器」は広くいうと人間全体、私たちの人生そのものと言ってもいいほどに深さと広がりを持った考え方なのです。
複雑に入り組んだ現代社会だからこそ、ますます私たちの「人としての器」が問われる時代と言えるのではないでしょうか。
「人としての器」について考え、器を磨き続けることは、自他のかけがえのない個性や可能性を受容し広げていくことにつながります。
そのように自らの器と向き合う人が増えることで、真にウェルビーイングにあふれる円熟した社会を目指していければと思います。
「人としての器」研究チーム
「人としての器」概要資料はこちら
研究メンバー
- 主任研究員(Senior Researcher)
羽生 琢哉 (Takuya Hanyu)
人事分野の専門誌「労政時報」の編集者を経て、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)博士課程を修了。博士(システムデザイン・マネジメント学)。2021年に「人としての器」に関する研究プロジェクトを開始以降、研究チームを結成して「人としての器」に関する情報を発信。慶應SDM特任講師として、企業との共同研究に従事。筑波大学働く人への心理支援開発研究センター研究員を兼任。国家資格キャリアコンサルタント、一般社団法人キャリアアドバイザー協議会登録キャリアアドバイザー。
高橋 香(Kaoru Takahashi)
大学卒業後、埼玉県にて高等学校教員を務める。教員勤務の傍ら、中小企業診断士試験合格、税理士試験合格、高千穂大学大学院経営学研究科にて経営学修士号MBA取得の後、独立し、有限会社L&M研究所設立。経営コンサルタント、研修講師、ヒューマンアセスメントアセッサーとして活動。その後、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて人としての器に関する論文を執筆。現在は上記活動に加え、人としての器研究チームに所属し人としての器研究を進めるほか、日本工業大学専門職大学院客員教授、産業能率大学総合研究所兼任講師、一般社団法人WII代表理事として活動中。
木暮 知佐子(Chisako Kogure)
大学卒業後、フリーターとなる。流れに身を任せているうちに、教員の道へ。埼玉県にて高等学校教員となる。教育委員会出向を経て、教頭となる。在職中、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて、論文「身体の良い姿勢が美意識と幸福感に与える影響」を執筆。2023年3月に退職後、銀行の人事部研修担当を務め、「人材開発」に携わる。現在は、わたしの幸せナビゲーター、授業コンサルタントとして活動。また、「人としての器」研究チームに所属し「人としての器」研究を進めるほか、ラジオパーソナリティー、俳優として、自己表現と美意識を研究しながら活動中。
山田 芳毅(Yoshiki Yamada)
対人支援・コミュニケーションデザイン・キャリアデザインへの関心から、大学卒業後、マイナビでの大学生向け広告メディア企画、リクルートでの中途採用支援&転職支援、コーチング個人事業、ソーシャルベンチャーでの障害者就労支援&組織開発、不登校児支援を経験。
人生における様々な危機(神経症、離婚、事業やキャリアの行き詰まり等)とそれらを通じた気付きから、内面探究・成人発達理論・インテグラル理論などの領域へ関心を持ち、「人としての器」研究の活動を開始。関心領域は、PTG(心的外傷後成長)、仏教、メンタルヘルス、フロー理論、対立解消、家系図、など。
- Uラボ 研究員(U-Lab Researcher)
人としての器ラボ(Uラボ) 自身のテーマを掲げて「人としての器」を探究するラボです(半年ごとに研究員を募集)
- 荒川悦子|(株)ベネッセコーポレーション
- 今井道子|フリーランス
- 伊藤歩美|教育系会社勤務
- 児玉佐紀子|サービス業
- 三井早苗|人材サービス会社勤務
- 中北順也|組織・人事コンサルタント マネージャー
- 大石義秀|理学療法士・医療法人社団 綾和会 掛川東病院 リハビリテーション部 部長
- 大沼芙実子|IT企業勤務
- 春日志保|無職(休職中)
- 竹花晶|旭化成株式会社 人事部人事室 エキスパート
- 椿肇|作業療法士・介護福祉士・産業カウンセラー
- 壺井佳代子|ヨーガ・セラピスト
- 牛田猛一|キャリアコンサルタント
- 山田晃義|株式会社リープラジャパン
- 山本和果|HR-techスタートアップ勤務
- 与那覇竜太|ブレイクセコンド株式会社 代表
- 吉田美幸|会社員
- 養父淳悟|大手外資系製薬企業勤務 労働組合専従 中央執行委員長
- 顧問(Adviser)
前野 隆司(Takashi Maeno)
1984年東京工業大学卒業、1986年同大学修士課程修了を経て、キヤノン株式会社勤務。1993年博士(工学)学位取得。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、ハーバード大学訪問教授等を経て現在慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授を兼務。著書『ディストピア禍の新・幸福論』(プレジデント社、2022年)ほか多数。専門は、システムデザイン・マネジメント学、 幸福学、イノベーション教育など。
メッセージ
現代社会は、資本主義の限界に直面する社会であると言われます。環境問題、格差の拡大、貧困、戦争・紛争、パンデミック、少子高齢化など、個人個人が自由に活動すれば社会はよくなる、と考える従来型の資本主義の行き過ぎが生み出した課題によって。これを打開するためには、人類全体が、視野を広げ、利他的になり、生きとし生けるものの幸せを願う社会を作るしかないと思います。つまり、現代社会の閉塞感を打破するためには、「人としての器」を高め、人格の向上を目指すような社会を構築することが不可欠です。よって、理念に共感する「人としての器」の活動を心より応援します。